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『スマホ時代の哲学』の著者・谷川嘉浩さんと語る、問いで掘り起こされる価値

※申し込みは、以下の参加フォームの記入を持って完了となります。
https://forms.gle/KhGYvTWPCsfNcTY46
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「問いを持つことが大事」とはよく言われます。
しかし、そもそもなぜ問いを持つことは大事なのでしょう。そして、私たちはどのようにしてその「問い」を生み出し、どのようにして自分に、また他者に投げかけ、応答しているのでしょう。その一連の行為は、何を生み出し、何のためにあるものなのでしょう。そもそも何かの「ため」にある行為なのでしょうか。

哲学者であり、今回のゲストである谷川さんは打ち合わせの際に「問いはビジョンやテーマのようなものであり、到達地点ではない」とおっしゃっていました。問いは方向を示す羅針盤のようなものであり、問いそのものが答えではない。問いを共有し、応答し合うことで、効率化された分業が「共同作業」になると。そう思うと、問いを持たない(共有しない)ことは、応答がないことを意味しますから、誰もそのものの意味や方向性が分からない状態だと言えるでしょう。

私たちひとりひとりの力は小さくても、チームや組織でなら乗り越えられたり、実現できたりする何かがある。そう謳っている反面、効率化され分業化された仕事の中で、ただひとりひとりのタスクをこなすだけになっている仕事や活動が、じつは少なくないように思うのです。

僕は谷川さんと打ち合わせをしたとき、「問いとは、ボールのようなものかもしれない」と思いました。トレーニングを繰り返すことで、足がどれだけ速くなったとしても、ボールがなければサッカーはできません。また「シュートを決める」ことで、上手になるわけでもありません。本当は、ボールに触れている時間が長ければ長いほど、技術やチームとしての実力は上達していくはずです。もっといえば、ボールに触れている時間こそが楽しかったはずなのです。

あらゆる娯楽やエンタメが席巻し、まるで時間を埋めるように、コンテンツの方からこちらにやってきてくれる現代。「スピーディーで効率がよいやりとり」が重視されがちな環境では、じっくり話を聞ける人や、不器用であっても独特の発想を持っている人、言葉足らずでも感情を豊かに伝えてくれる人、そうしたコミュニケーションの多様性にこそ価値があるはずなのに、それらが埋もれていってしまう。その埋もれた価値を、「問い」をきっかけにどのように掘り起こすことができるのか。短時間で答えを出さなければいけない不安に駆られたり、モヤモヤを抱えたままの状態がしんどかったりする中で、意識的に問いを生み出し、遊びつづけることができるのか。またその「問い」や「遊び」のようなものは、いったいどこに繋がっていくのか?

哲学者でありながら、哲学だけでなく、社会学、メディア論など領域を越えて活躍する谷川嘉浩さんをお招きし、尼崎を中心に同じく試行錯誤してきた「株式会社ここにある」の藤本と白川が聞き手となって、話を深掘りしていきます。

関心のある方はどなたでもお越しいただけますので、お気軽にどうぞ。企業の方、行政の方、教育に関わる方、NPOで働く方、一般市民の方など、所属や背景を問わずご参加いただければと思います。きっと素敵な学びがあるはずです。

◉ゲスト
谷川嘉浩(たにがわよしひろ)
哲学者。1990年生まれ。博士(人間・環境学)。現在、京都市立芸術大学美術学部講師。哲学だけでなく、社会学、メディア論など領域を越えて活躍。著書に『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』(ちくまプリマー新書、2024年)、『ネガティブ・ケイパビリティで生きる』(さくら舎、2023年)、『スマホ時代の哲学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2022年)など多数。

◉聞き手
藤本 遼(ふじもと・りょう)ここにある代表取締役/場を編む人
1990年4月生まれ。兵庫県尼崎市出身在住。「余白のデザイン」と「あわいの編集」をキーワードに、さまざまな地域プロジェクトに関わる。代表的なものは「ミーツ・ザ・福祉」「カリー寺」「おつかいチャレンジ」「グッド!ネイバー!ミーティング!」「武庫之のうえん」など。多様な地域住民や関係者の巻き込み、プロセスデザインを専門としている。『場づくりという冒険 いかしあうつながりを編み直す』著。

白川 烈 
1994年生まれ。物書き、コピーライター。株式会社ここにある。絵本『やさしいて』(ゆずりは出版・2021年)、エッセイ集『忘れた傘で雨をしのいで』(BEKKO BOOKS・2023年)を刊行。その他、詩集の選詩や編集なども手掛ける。自身のnoteにて「今日のうんち」という散文を2018年より毎日更新中。神戸の古着・喫茶アレリナにて、エッセイの週刊連載なども担当。うつくしいものや割り切れないもの、仕方のないことが好きです。
担当著書
絵本『やさしいて』(ゆずりは出版)、『兄ちゃん、行け』、『忘れた傘で雨をしのいで』(BEKKO BOOKS)など。

◉イベント詳細
日程: 6月19日(水)19:00~21:00
場所: AMA-NEST(アマネスト)
兵庫県尼崎市開明町2丁目1番地1 開明庁舎2階
阪神尼崎駅より徒歩3分
参加費:1000円(当日、現金にて頂戴します)
定員:40名
対象:興味がある方はどなたでも!

◉お申し込み
下記URLよりお申し込みください。
https://forms.gle/KhGYvTWPCsfNcTY46

◉お問い合わせ
株式会社ここにある
Mail:r.shirakawa@coconiaru-inc.com

◉主催・企画運営
株式会社ここにある

開催概要

開催日時 2024.06.19(Wen)
19:00〜21:00
開催場所

AMA-NEST(アマネスト)