【イベントレポート】7月19日に「グッド!ネイバー!ミーティング!vol.01 〜みんなで「サルパ」をやってみよう!〜」を開催しました!

2023.8.31(Thu)お知らせ

みなさんが住むまちに「ご近所のステキな知り合い」はいますか?

平日は家と職場(あるいは学校など)の行き来ばかりで、それ以外にまちのお友だちや知り合いはほとんどいない、という方も多いのではないでしょうか。

でも、まちには知らないだけでステキでおもしろい人たちがたくさん。そんな「ご近所のステキな知り合い」と出会える場が川西エリアを中心に新たに始動しました。

それが、「グッド!ネイバー!ミーティング!」です。

言葉だけを聞いても、参加するにはハードルが高いなあと思う人も多いはず。そこで、今回のレポートでは企画運営で関わっている株式会社ここにあるの鈴木が、第1回「グッド!ネイバー!ミーティング」の様子をお伝えします!この記事をきっかけに、新たな「ご近所のステキな知り合い」との出会いが生まれてくれるとうれしいです。

文:鈴木芽生(すずき・めい)

グッド!ネイバー!ミーティング!って?

冒頭に記載したように「グッド!ネイバー!ミーティング!」は、「ご近所のステキな知り合い」をつくるためのイベント。

昨年夏頃から進めているエイチ・ツー・オーリテイリング株式会社(以下、H2O)と、株式会社ここにある(以下、ここにある)との川西市エリアを中心とした取り組みのひとつとしてスタートしました。

※これまでの取り組みについてはこちらの記事をご覧ください。

イベントでは参加者同士での交流はもちろん、食品ロスや地域コミュニティ、福祉などに関するさまざまな学びの機会もあわせてつくっていく予定。2ヶ月に一度くらいの頻度で、川西市内のいろんな拠点を巡りながら開催するので、ぜひ気になる回に参加してみてくださいね。

記念すべき第1回の舞台はイズミヤショッピングセンター多田店

そして迎えた初回。2023年7月19日(水)、イズミヤショッピングセンター多田店内のプレオープンズにて「グッド!ネイバー!ミーティング!vol.01 〜みんなで「サルパ」をやってみよう!〜」を開催しました。

会場となったプレオープンズがある、イズミヤショッピングセンター多田店。イベントで使用する廃棄直前の食材を事前に確保してもらい、当日にご提供いただきました。

会場であるプレオープンズは、調理ができるキッチンと飲食スペースがあるシェアキッチン。川西多田のプレオープンズでは、食品衛生責任者の資格所得者であれば飲食提供や菓子製造工場としても利用できるそうです。

会場のプレオープンズがあるのは、イズミヤのレジ奥。買い物ついでに覗かれる方もたくさん。スーパーの一角でのイベントは新鮮でした。

今回は、イズミヤから出た廃棄直前の食材や参加者のみなさんで持ち寄った余り物の食材を使って、みんなでサルベージ・パーティ(以下、サルパ)をします。

集まったのは30名以上のグッドでネイバーなみなさん

仕事終わりの方にも参加してほしい、ということで開始時間は19時に設定。川西市エリアで勤務する会社員の方や地元の大学生、市内在住の親子など、川西市エリアに関わりのあるさまざまな方が30名以上集まりました。

受付時にトランプを引いてもらい、書いてあるマークのテーブルへ。自己紹介から和やかな雰囲気でイベントがスタート。

受付時にトランプを引いてもらい、書いてあるマークのテーブルへ。自己紹介から和やかな雰囲気でイベントがスタート。

H2Oの吉田憲夫(よしだ・のりお)さんによる司会から始まり、その後の進行はここにあるの藤本遼(ふじもと・りょう)さんへバトンタッチ。

H2Oの吉田さんからは、川西市エリアを中心とした取り組みの紹介をしていただきました。

ここにあるの藤本さんからイベントの説明がされたあと、本題へと入っていきます。

普段はしないようなチャレンジをしてクッキング

「グッド!ネイバー!ミーティング!」の初回はサルパをやってみようということで、サルパの考案者である株式会社honshoku 代表の平井巧(ひらい・さとし)さんにお越しいただきました。

平井巧(ひらい・さとし)さん 株式会社honshoku代表/一般社団法人フードサルベージ代表理事/フードスコーレ校長/shokuyokuマガジン編集長/東京農業大学非常勤講師/品川エトワール女子高等学校講師 広告代理店での企画営業を経て独立。foodloss&wasteの課題解決を手がける一般社団法人フードサルベージを設立。食のクリエイティブチーム株式会社honshokuでは、食にまつわる企画制作を行う。2020年に食の学び舎「foodskole(フードスコーレ)」を開校。2021年に食のウェブマガジン「shokuyokuマガジン」を創刊。10年先に繋がる食と学びのデザイナーとして活動中。

平井巧(ひらい・さとし)さん

株式会社honshoku代表/一般社団法人フードサルベージ代表理事/フードスコーレ校長/shokuyokuマガジン編集長/東京農業大学非常勤講師/品川エトワール女子高等学校講師

広告代理店での企画営業を経て独立。foodloss&wasteの課題解決を手がける一般社団法人フードサルベージを設立。食のクリエイティブチーム株式会社honshokuでは、食にまつわる企画制作を行う。2020年に食の学び舎「foodskole(フードスコーレ)」を開校。2021年に食のウェブマガジン「shokuyokuマガジン」を創刊。10年先に繋がる食と学びのデザイナーとして活動中。

 

最初にスライドに映し出されたのは、美味しそうなバナナが1本だけ写った写真。「これ食べられる人?」という問いかけに、「当たり前でしょ」と言わんばかりに全員が手を挙げます。

その後、画面を切り替えるごとに少しずつ茶色くなっていくバナナ。「食べられる」と手を挙げる人も、茶色くなるにつれて徐々に少なくなっていきます。全体が黒くなっても食べられるという強者も、皮だけの写真になるとさすがに手を下げていました。

「規格があるからロス(規格外)が出るわけですが、こういうふうに、食べられるものの定義は意外に曖昧なんですよね」

平井さん自身が「食」と向き合う中で大事にしているのは「分解者」という考え方。経済学には生産者と消費者という考え方しかありませんが、循環を重視する生態学から生まれたのが「分解者」です。それを食に置き換えてみると、「食材を食べ切らないといけない」というような消費的な考え方だけでなく、屑(くず)のように見なされている食材をどう価値づけていくか、という分解していく視点を持つということが大事になるそうです。

私自身、これまで「フードロス=食べ残しをしてはいけない」と思っていました。けれど、規格外の食材たちにどう価値づけていくかを考えてみると、向き合い方がゆるやかに変わるようにも思います。「〜しないといけない」から「〜したらどうだろう」に視点を変えて考えてみる。そんな思いを一言で表した「もてあましている食材に、最高のスポットライトを」がサルパのテーマです。

「『もてあましている食材に、最高のスポットライトを』をメッセージに、集まった食材をただみんなで料理するだけでなく、チャレンジというスパイスを加えながら調理してもらいたいと思います」

そう言って、平井さんが料理を考えるヒントを教えてくれました。

・味の固定概念を捨ててみる
・組み合わせの妙を楽しむ
・加工食品を味付けにつかってみる
・食材の形を変えてみる

今回集まった食材たち。十分な量の食材が集まらないかもしれないという心配とは裏腹に、たくさんのもてあました食材が集まりました。

例えば、油で揚げたそばを砕いてトッピングにしたり、そうめんを砕いてから茹でることでリゾットのようにしてみたり、グループのメンバーでアイデアを出しながらチャレンジしてみてほしい。

平井さんの言葉を聞いて、「今日はちょっと遊び心をもちながら料理してみようかな」という雰囲気が生まれたところでいよいよクッキングスタート!

ちょっとチャレンジしてみるクッキングがスタート

集まった食材は4グループに分けて配られます。1グループにこんなにもたくさんの食材が。

あらかじめ作るものを決めてから役割分担をして調理に入るグループもあれば、二手に分かれてそれぞれでアイデアを出し合って作るものを決めて調理するグループも。

「これとこれを使えば美味しくなりそう」「缶詰を使って味付けしてみても美味しそう」などいろんなアイデアが飛びかっていました。そういえば、自宅での料理でこんなふうにアイデアを出しながら料理することはあまりないですね。

いつもとはちょっと違う切り方をしてみたり。

普段ならやらないような組み合わせを試してみたり。

そうめんを折るだけなら包丁を使わないので子どもたちも安心して料理を楽しめますね。そうめんを夢中で折る姿がとってもかわいかったです。

調理のために設けられた時間は1時間。メニューを考えて食材を切って火を通すことを考えると、かなり手際よく進める必要があります。

調理場が人で溢れかえっている様子を見て、「こんなに盛り上がっているのはあまりないですね。バーゲンセールみたい」と、平井さんも思わず笑っていました。

会場がスーパーのレジの隣にあるということもあり、お買い物中の方から「なにやっているの?」と尋ねられることも。接点がなかった方との思いがけない出会いが生まれるのも、イベントスペースではなくスーパーという開かれた場ならではだと感じました。

みんなで一緒に「いただきます!」

「残り時間5分です。あと5分で仕上げて、みんなでいただきますをしましょう!」

平井さんからのアナウンスとともにテーブルには料理が並び、着々と食事の準備が整っていきます。誰かが誰かに指示をするのでもなく、それぞれが「こうした方がいいかな」と考えて臨機応変に対応する様子がとても印象的でした。

細かく砕いたそうめんを使ったリゾット風のなにか。

もてあましていた、もしくは捨てられるはずだった食材からできているとは思えないほど美味しそうな料理ばかりです(盛り付けもおしゃれでお店で出されても分からないクオリティ、、!)

食べる準備ができたら、お待ちかねのみんなでいただきます。

完成した料理は他のグループにもお裾分け。たくさんの料理がテーブルに並び、豪華なサルパになりました。

「これって何が入ってるの?」「この組み合わせ意外とおいしい!」など、みんなで作った料理を囲んでのごはんだと、自然と会話も弾みます。

一緒に料理を作ることで、最初は初めまして同士でぎこちなかったグループも緊張がほぐれて、あたたかいコミュニケーションがたくさん生まれていました。

私の1番のお気に入り。隠し味はアンチョビだそう。ちょっとしたチャレンジから生まれる料理との一期一会な出会いは、グッド!ネイバー!ミーティング!にぴったりでした。

おいしいごはんにお腹も満たされて、さらに人との出会いや会話を通して心も満たされる。

想像をいい意味で裏切るようなシーンをたくさん見ることができ、イベントのコンセプトである「近所のステキな知り合い」をつくる場がそこにありました。ほんのちょっと手を加えるだけで、新たな価値が生まれる。料理を一緒に作るという共同作業を通じて生まれた「参加者のみんなでその場をともにつくっている感」は次回以降も大切にしていきたいと思えるものでした。

最後に参加者の方からのコメントをご紹介。

僕たちのグループは親子連れがたくさんいらっしゃって、子どもが6人と大人が6人のグループ。食材を見ながらみんなで何を作るかを決めていき、2チームに別れて調理開始。印象的だったのは、子どもたちに手伝ってもらえるよう、大人が「これ洗ってきて〜」とか「一緒に切ってみようか!」とそれぞれ声をかけるシーン。なんと、子どもたちは親御さんと別れたチームで、さっき会ったばかりの大人に見守られながら調理を楽しんでいたのです。

調理する過程もレシピを見ながらではなく「ちょっとチャレンジをしてみよう」というメッセージのもと、「あ、余ってるソース入れてみない?」とその場その場でアイデアが飛び交い、「それ名案ですね!取ってきます!」と手が空いている人が取ってきてくれたり。「醤油どこだっけ〜」とつぶやくと、別のチームの人が「どうぞ〜」と持ってきてくれたり。料理から生まれるコミュニケーションって、こんなにも多いんだ!と驚きました。

「同じ釜のメシを食った仲」という例えがありますけど、僕らはそれより上の「同じ釜のメシを作って食った仲」なんですよね。一緒に食事をする以上に、一緒に食事を作ることはこんなにも人と仲良くなれるんだなと実感しました。

調理の様子など、イベントの雰囲気がより伝わる動画も完成したので、ぜひ見てみてくださいね。

▼第1回の動画は下記URLからご覧ください。
https://youtu.be/nfV4edJAvcE

次はどんなグッドでネイバーな出会いが生まれるのかすごく楽しみです。

第2回は妙見の森でサルパ!

次回のグッド!ネイバー!ミーティング!は9月17日(日)に開催が決定しています。舞台となるのは、来年2024年6月に営業終了が決まっている妙見の森。能勢電鉄開業110周年記念「妙見の森フェスティバル」と合同開催です!

当日はほかにもステージやマーケット、キッチンカーなどたくさんのコンテンツがありますので、ぜひ遊びに来てくださいね。コンポストも組み合わせて、生ゴミゼロも目指しましょう~!

▼グッド!ネイバー!ミーティング!vol.02の詳細はこちら!
https://fb.me/e/1aK7IySol

※参加枠には限りがありますので、参加をご希望の方はお早めにお申し込みください。

▼妙見の森フェスティバルの詳細は下記HPをご覧ください。
https://noseden.hankyu.co.jp/news/2864c71067e4c3f.html