2023.5.18(Thu)レポート
マーケットのつくりかた学校担当のささべむつみです(はじめましてです、どきどき)!
4月30日(土)から、全7回でマーケットの企画運営を学べる学校がスタートしました!
春のさわやかな風が吹く素敵なギャラリーに、約30人が集まりました。
マーケットのあるまちは、素敵な空気が流れているまち。マーケットをしている、関心がある人達が集まるゆるい場になればいいなと思います◎
記念すべき第1回は、滋賀で行われている「蓬莱マルシェ」の仕掛け人である、一般社団法人シガーシガの岡山泰士さんと、ひら自然菜園代表の加地玄太さんをゲストにお迎えしました。優しく温かな雰囲気を持つ蓬莱マルシェ。そのおもしろい運営方法をじっくりお聞きしました!
蓬莱マルシェは、琵琶湖と比良山がすぐそばにある自然豊かなところで、月1回の頻度で開催されています。
もともとは、就労支援施設である「蓬莱の家」の敷地内で、岡山さんが所属するシガーシガがシェアファームやマルシェを立ち上げたところに、農業の知識を持つ加地さんが呼ばれたことがはじまり。その後、一緒に運営することになりました。
加地さん自身、畑は野菜をつくるだけではなく、人と人の関わりやコミュニティをつくる可能性があると感じていたそうです。
「目的とコンセプトを大切にするために、規模は拡大しない」
ひら自然菜園代表 / 蓬莱マルシェ主催 加地玄太さん(中央)
「蓬莱マルシェ」の最終目標は、コミュニティをつくること。加地さんは話します。
「なにかありそう、だれかいるかも、ただそれだけのことだけど、そう思える場所がある。単発のイベントではなく、ひとつの日常にしたい」。
この目的とコンセプトを大切にするために「蓬莱マルシェ」では、面白い運営の仕方をしています。
「まずは、規模を拡大しないことが大切。人がたくさん集まりすぎると、ゆっくり話す時間がなくなってしまいます。ゆったりとした空気感、コミュニケーションがうまれる雰囲気を生むために、規模はほどほどにしています。次に、新規の出店者、お客さん、スタッフさんが入ってくることができる、流動的な場にすること。特定の人だけが集まって一種のカルチャーにかたまると、それ以外の人たちが入りづらくなってしまうため、できるだけカルチャーがフラットになるように心がけています」。
また、以下のようなルールも定めているそう。
①出店基準はコンセプトに共感しているかどうか
日常の場づくりが目的なので、お金儲け目的の人はNG。一度マルシェに来てもらい、空気感に賛同してもらえるか確かめる。出店をお断りすることも多い。
②視覚の統一
ゆったりとした空気感を守るため、また商業目的にならないようにするため、タープの色を統一し、のぼり・派手な看板などは禁止。
③出店方法
出店方法はオファー制。出店基準をクリアした人にオファーを出している。出店者の偏りを減らし、空気感のコントロールができる。
「3年がたち、豊かな副産物が『戻って』きている」
STUDIO MONAKA共同代表 / 一般社団法人シガーシガ 岡山泰士さん(左)
3年経って、いろんな副産物が「戻って」きています。単発のイベントではない、日常としてマルシェがさまざまなコミュニティをつくり、勝手に企画ミーティングがはじまる。そうして生まれた企画が地域に新たな風を吹かせます。
岡山さんは蓬莱マルシェをはじめてから、地域にお店やサービスが増えたり、挨拶できる友達が増えたりしているそうです。
「自分の住むエリアに移住者が来て一緒に生垣を一緒に掃除するとか。自分の周りが豊かになっています。3年続けた結果、お金という対価ではなく、豊かさを体感できるところまできています」。
その後、主催の「ここにある」藤本が続けます。
「特に岡山さんはこうした草の根的な取り組みを、事業や資金が回っていくプロジェクトに仕立て上げていくことが上手い。まずは丁寧に事例や実践を積み上げて、一定の状況ができた時点で継続的に回っていくように、国の予算なども引っ張ってくる。そのステップのデザインが非常に秀逸だし、学ぶところが多い」。
参加者からは「優しい空気感をつくるために、出店基準を設けるのはおもしろい。大事にしたい気持ちが伝わってくる」「出店者としてオファーされたらめっちゃ嬉しい!」という感想がありました。
マーケットのつくりかた学校は、これからも続きます。途中からの参加でも大歓迎です。毎回全く違う話が聞けるので、少しでも興味のある方はぜひお越しください!次回はどんな話が聞けるのか、楽しみだ~。
▼マーケットのつくりかた学校
https://markettsukurikata.peatix.com/
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